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CIRCUS TOWN : ウィキペディア日本語版
CIRCUS TOWN[さーかす たうん]

CIRCUS TOWN』(サーカス・タウン)は、1976年12月25日に発売された山下達郎通算1作目のスタジオ・アルバム
== 解説 ==
山下はシュガー・ベイブのメンバーとして1973年にプロ活動を始め、約3年間のバンド活動を経て、1976年からソロ・シンガーとして活動を始めた。是が非でもソロになりたかったわけではなく、バンドが解散して仕方なくというパターンでのスタートだった。バンド解散による精神的ダメージと、シュガー・ベイブで目指した1960年代テイストやレコード・マニア的趣味性が当時の日本の音楽状況にまったく受け入れられなかったことへの挫折感から、自分がこの先どうすればいいか、まったくわからなかったという。ソロでやって行くにしても、どこか客観的な立場に一度身を置いて自身の音楽的力量を判断してみないことには前に進めない。これがソロ・アルバムを海外で録音しようと思い立った理由だった。
音作りに関して、シュガー・ベイブは実質的に山下のワンマン・バンドだった。とはいえプロデュースだアレンジだといっても、小さな世界での観念的な言葉でしかなかった。山下自身もそうしたことに限界を感じていたことから、ファースト・ソロ・アルバムでは曲作りと歌に専念して、プロデュースとアレンジを第三者に託してみようと考えていたという。自分が聴いて育ってきたアメリカン・ヒット・パレードの真ん中で自分の音を鳴らしたら、どんなものが出来上がるのか。プロデューサー、アレンジャー、ミュージシャンからスタジオやエンジニアまで自分で指定して、その上に自分の曲と歌を乗せてみたら自分の予測値と現実はどのくらいの誤差が生じるのか。そのため、録音場所は絶対にニューヨークで、プロデューサー・アレンジャーは1960年代も1970年代も等しく理解している人でなければならない。
こうしたプランに基づいて何人かのアレンジャーやミュージシャンを想定し、当時ソロ・シンガーとして契約したいと声をかけてきたレコード会社数社に話したところ、当時は海外レコーディングはまだ特別な事柄で、ミュージシャンやスタジオの交渉など現地でのコーディネートも難しく、なにより山下のオーダーではスタジオやミュージシャンのランクが高過ぎて莫大な経費がかかり、当時の山下のセールス実績では採算が取れないと判断され、どのレコード会社も難色を示した。そんな中で1人だけ、RVCで制作ディレクターとしてのキャリアをスタートさせたばかりだった小杉理宇造が手を挙げた。
RVCで日本のロックをやりたいと考えていた小杉は、マネジメント会社「アワ・ハウス」代表の牧村憲一に紹介されて行った、荻窪ロフトでのシュガー・ベイブ解散コンサートを見て、山下と契約したいと思ったという。その頃すでにCBSソニーとの契約が決まっていたが、まだ正式にはしていないらしい。ならばとにかく本人に会いたいということでRVCに来た山下に小杉は「君をやりたいんだけど」と申し出た。対して山下は「ニューヨーク・レコーディングをやりたいから、そのお膳立てをしてくれたらやってもいい」という事になり、正式なオファー・リストを山下からもらった小杉は、ニューヨークでの留学生活の経験を生かして単身渡米し、山下が指名したプロデューサー数人と直接交渉の結果、第一候補だったチャーリー・カレロのOKを得て話を決めてきた。ただし、予算の関係でアルバム1枚全部をニューヨークでというのは不可能なので、ついては自分はロサンゼルスにならミュージシャンの友人がいて、彼らを紹介するので、半分をロスでお願いできないかという話で、その友人というのが、ジョン・サイターという、スパンキー・アンド・アワ・ギャングタートルズのメンバーだったこともある、山下の大好きなミュージシャンだったというのも縁としかいいようがなく、かくしてRVCと契約する運びとなり、ソロ・デビュー・アルバムの準備が整った。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「CIRCUS TOWN」の詳細全文を読む




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